みなさまこんにちは!食品メーカーで商品開発をやってます、みりあです!
メーカーに入社1年~2年目くらいの、「新しい経験が多すぎて、普段何を意識して働けばいいかわからーん!」という方向けに
今回は、「商品開発の新人が何を学べばいいのか」についてお話ししていきたいと思います。
恐らく、これらを意識して最初の1~2年仕事に臨むのと、まったく考えずにがむしゃらにやるのでは中堅社員になったときの技量に差がついてくるだろうと思います。
私は食品開発者になって最初の2年くらい深く考えずに必死に業務を行い、あの時もっと勉強しておけばよかった・・・と少しばかりの後悔があります。
大量の仕事をひたすらこなした結果、経験を得ただけで深い知識が得られず器用貧乏になってしまったのです。もし転職するにも知識・技術は大切なので、みんな勉強頑張ろうね!笑。
ということで早速、商品開発の新人が何を学べばいいのかをお伝えします!
- 原材料の知識を増やす
- 自社製品について覚える
- 食品表示について学ぶ
- 美味しいものを食べる!
以上4つを意識することをオススメします。
ちなみに今回もあくまで私個人の意見です!それぞれの人・会社でやり方が異なると思いますので参考として見ていただければ幸いです。
1.原材料の知識を増やす
まずは原材料の知識を増やしましょう!
開発を行う上で、原材料の知識は非常に重要です。
例えばカレーを作ろう!と思った時、そもそも「市場にどんなスパイスがあるのか」を知らないと試作を始めることができないですよね。
では、具体的に何をすればいいのかというと・・・
- 味見をする
- 価格を覚える
- 規格書を見る
- 原料メーカーと商談する
- 展示会に行く
これらの行動を繰り返すことで原材料知識を積み上げることができます。
味見をする
まず、一番大切なのが原料の味を覚えることです。
食品メーカーの試作室(ラボ)には沢山の原料が保管されていることでしょう。
一気に全部味見!はちょっと無理ですが、知らない原料を使うときは必ず味見するようにしましょう。
「味の特徴」「におい」「味の強さ(力価)」「色」「乳化具合」などをメモしておくと後々試作をする時に役に立ちます。
似たような名前で味が少しづつ異なる紛らわしい原料も沢山あるので、頑張って覚えましょう。笑
私は隙あらばスプーンや手の甲に乗せて舐めたり、ビーカーに湯で薄めて飲んだりしています。
味が濃いものについては舐めてもよくわからないことも多いので、実際に使う割合(0.1%添加が目安なら同じ濃度)でお湯で薄めてみるなどの工夫もできます。
価格を覚える
商品開発には、原価管理がつきものです。
例え味が良かったとしても、高すぎる原料は使えないこともあります。
試作に使う原料を選ぶとき、ある程度価格が頭に入っていると、効率よく選定することができます。
数百数千とある全部の原料の価格を覚えるのは無謀なので、よく使うものだけでも大丈夫です!
規格書を見る
原料にはそれぞれ、説明書である「規格書」が存在します。規格書は会社のファイルに保管されていたり、原料メーカーへ問い合わせてもらったりすることができます。
規格書は原料情報の宝庫です!その原料がどんな製法や素材で作られているか、どんなアレルゲンが含まれているか、などなど・・・規格書を読んでおくと原料に対する理解が深まります。
私は、原料を味見するときに規格書を見ながらやることが多いです!
原料メーカーと商談する
開発者であれば、原料メーカーの営業マンから商談の申し込みを受けることもあります。
営業マンは原料の使い方を教えてくれたり、今まで使ったことのない新しい原料を紹介してくれます。時には勉強会を開いてくれることもあるので、積極的に利用して知識を増やしていきましょう!
ただし、商談を受けすぎると時間をとられて試作業務に支障をきたすので注意ですよ。笑
展示会に行く
多くの原料メーカーが一堂に会する展示会は、知識を増やす絶好の機会です。
食品に関する大きい展示会は毎年何度か開かれているので、積極的に参加したいところ。
ただ行くだけだと収穫がないので、「取引先を巡って新製品を全部見てくる」「こんな原料がほしいから、知らないメーカーも含めた中から探してみる」などの目的をもって動くのがおすすめです。
2.自社製品について覚える
自社製品についての知識を増やすことも、開発を行う上で重要なポイントです。
具体的には、次の項目を意識して覚えましょう。
- 自社製品のラインナップ
- 自社製品の味
- 自社製品の製造工程
では、詳しく説明していきます!
自社製品のラインナップ
それぞれのメーカーは、本当に多くの製品を持っています。入社前なんて有名商品くらいしか知らないと思うので、それこそ入社後すぐに製品リストなんかを見たらびっくりすると思いますよ!
少しずつでもいいので、自分の会社がどんな製品を作っているのか把握しておくようにしましょう。
BtoCの会社でも、意外と業務用商品を作っている場合もあります。
「どんな製品を持っていて、逆にどんな製品が無いのか」「製品を作るうえで大事にしているポイントは何か(味・価格・機能性等)」を最低限わかっておきましょう!
自社製品の味
ラインナップと一緒に覚えておきたいのが味の特徴です。
おそらく、開発員であれば自社の製品サンプルを自由に試食できる環境にあると思うので、積極的に味見していきましょう。
競合他社と比べて何が違うか?どこが良くてどこが悪いのか?意識しながらみると尚goodです!
これは少し上級編なのですが、加工食品は「作ったロットごとで味が若干異なる」場合があります。
つまり毎日同じ方法で作っているつもりでも、その日その日の製造環境によって味に影響がでる可能性があるということです。
そんな時にどの程度の差なら許容範囲なのか、どう工夫すれば極力差をなくせるのか考えておくのも開発者としてステップアップするための力になります。
自社製品の製造工程
ラインナップ、味ときましたが・・・最後に製造工程までしっかり覚えることができたら、とってもいい感じですね!
製造工程には「加熱温度・時間・混ぜ方・充填や成型・包装・品質検査」などの多くの要素があるためすべてを覚えるのは大変です。
ただ、ここを押さえてないと適切な商品設計ができないのも事実なので、頑張って覚えてくしかありません・・・。
手っ取り早いのが工場研修や製造立ち合いで実際に見てみることです。ただ製造研修は会社によって期間やタイミングがまちまちなので、足りない部分は先輩に聞く・製造工程表を覚えるなどで対応しましょう。
3.食品表示について学ぶ
意外と重要で、かつ自分で学ぶことができるのが食品表示です。
食品には必ず表示を付けなければならず、その情報を作っているのが開発者なんて会社も多いです。
もし他の部署に担当者がいたとしても、知識を持っておいて損はないので勉強しておくのがおススメですよ!
新卒入社で数年経った頃、突然裏面表示の作成業務を任されることになり大慌てで勉強した経験があるので・・・余裕のある時にやっといた方がいいです。泣
ちなみに食品表示は教材も手に入るし、食品表示検定という資格もあるので受けてみてもいいですね。もし勉強するなら中級がおススメです。
4.美味しいものを食べる!
さて、最後におすすめなのが美味しいものを食べること!(まじめに言ってます 笑)
美味しい食品を作りたい!と思っても、「美味しい」が何か自分の中でイメージできないと再現できない・・・と思っています。
甘み、酸味、塩、旨み、食感、温度、色、加熱具合、見た目、機能性、などなど・・・
色んな条件が重なって「美味しい」を作り出しているということを意識して食べるのもアリだと思います!
美味しい思いをしながら勉強もできるなんて、開発の醍醐味ですね。笑
最後に
さて、ここまで長くなってしまいましたが、私が考えている「開発新人さんがやるべきと思うこと」をお伝えできたかなと思います。
開発の手法ってメーカーそれぞれで違いがあるし、勉強するのも難しいと思います。ただ、やれることを地道にやっていけば数年後にはある程度力量がつけられると思っています!
私自身も日々新たな発見があり、まだまだ勉強不足だなと感じる毎日です。一緒に頑張りましょう(´▽`*)
では、今回はここまで!読んでいただきありがとうございました!
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